業務改善
Excelで管理表を作るときの基本|使いやすい表にするための考え方
ぴーす君
Excelで管理表を作ったものの、こんな悩みはありませんか?
必要な情報がどこにあるのか分からない
管理する項目が増えるたびに、表を修正している
業務がどこまで進んでいるのか分かりにくい
管理表を作ったのに、結局ほかの資料も確認している
Excelは手軽に表を作成できる便利なツールです。しかし、情報を並べるだけでは、必ずしも使いやすい管理表になるとは限りません。
使いやすい管理表を作るためには、Excelの機能や関数を使う前に、何を管理したいのか、どのような流れで業務が進むのかを整理することが大切です。
今回は、採用応募管理表を例に、Excelで管理表を作るときに押さえておきたい基本的な考え方を紹介します。
今回使用する管理表
まずは、今回の説明に使用する採用応募管理表を見てみましょう。
No. | 応募受付日 | 応募者名 | 応募職種 | 書類選考日 | 書類選考結果 | 書類選考結果連絡日 | 面接日 | 面接結果 | 面接結果連絡日 | 採否 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2026/10/01 | 山田太郎 | 営業 | 2026/10/03 | 合格 | 2026/10/04 | 2026/10/10 | 合格 | 2026/10/11 | 採用 |
2 | 2026/10/02 | 佐藤花子 | 事務 | 2026/10/04 | 合格 | 2026/10/05 | 2026/10/12 | 選考中 | ||
3 | 2026/10/05 | 鈴木一郎 | 営業 | 2026/10/07 | 不合格 | 2026/10/08 | 不採用 |
※記事で考え方を説明するために作成したサンプルです。実際の採用業務では、応募者への連絡状況や入社手続きなど、さらに多くの情報を管理する場合もあります。
この表を例に、使いやすい管理表を作るためのポイントを確認していきましょう。
Step1:管理したい情報を項目に分解する
管理表を作るとき、最初に考えたいのは「何を管理する必要があるのか」という点です。
いきなりExcelを開いて表を作り始めるのではなく、管理したい情報を洗い出し、項目ごとに分けていきましょう。
例えば、採用応募管理表であれば、次のような情報が考えられます。
応募者の名前
応募を受け付けた日
応募した職種
書類選考の日付と結果
面接の予定日
選考結果と応募者への連絡日
これらを項目として整理することで、何を記録すればよいのかが明確になります。
1人の応募者を1行で管理する
管理表を作るときは、1件の情報を1行で管理することを基本にしましょう。
今回の採用応募管理表であれば、1人の応募者を1行にまとめます。
1人の応募者に関する情報が複数の行に分かれていたり、1つのセルに複数の応募者の情報がまとめられていたりすると、応募者ごとの状況を把握しにくくなります。
誰の情報なのか、どのような状況なのかをすぐに確認できる形にすることが大切です。
Step2:業務の流れに沿って項目を配置する
管理したい項目を洗い出したら、次は項目を並べる順番を考えます。
ポイントは、実際の業務が進む順番に沿って、左から右へ項目を配置することです。
採用業務であれば、一般的には次のような流れで進みます。
応募を受け付ける
応募者の情報を確認する
書類選考を行う
面接を設定・実施する
選考結果を決定し、応募者へ連絡する
この流れに合わせて項目を配置すると、例えば次のようになります。
応募受付 → 応募者情報 → 書類選考 → 面接 → 採否
業務の流れと表の並び順が一致していれば、左から右へ確認するだけで、どこまで作業が進んでいるのかを把握しやすくなります。
反対に、項目が業務の流れと関係なく並んでいると、必要な情報を探したり、作業の進捗を確認したりするたびに、表のあちこちを見なければなりません。
管理表は、単に情報を保存するためのものではありません。
業務の状況を確認し、次に何をすべきか判断できることも、使いやすい管理表に求められる役割です。
Step3:時間軸を意識して管理する
業務を管理するうえで、日付は重要な情報です。
管理表を作るときは、単に日付の項目を設けるだけでなく、いつ、何が発生したのかを把握できるようにすることが大切です。
例えば、採用応募管理表では、次のような日付を管理します。
応募受付日
書類選考日
面接日
書類選考結果の連絡日
面接結果の連絡日
このように、業務の各段階で発生する日付を記録しておけば、選考がいつ行われたのか、応募者への連絡がいつ行われたのかを確認できます。
また、複数の応募者を管理する場合、応募受付日や面接日などの日付を比較することで、対応の順番や選考の進み具合を把握することにも役立ちます。
Excelが日付として認識できる形で入力する
もう1つ、日付の管理で気をつけたいことがあります。
それは、見た目が日付のようでも、Excelが日付として認識しているとは限らないという点です。
例えば、次のような入力方法には注意が必要です。
2026年3月末
10月上旬
来月中
これらは日付に関する情報ですが、具体的な日付が確定していなかったり、文字列として入力されていたりすることがあります。
文字列として保存された日付は、そのままでは日付の比較や計算、日付順の並べ替えなどに利用できない場合があります。
例えば、2026年3月末を管理するのであれば、実際の値は 2026/03/31 のような日付として保存し、必要に応じて表示形式を設定して「2026年3月末」と表示する方法があります。
大切なのは、人が見て分かることだけでなく、Excelが日付として扱えることです。
日付を正しく管理しておけば、日付順の並べ替えや経過日数の計算など、後からExcelの機能を活用するときにも役立ちます。
Step4:No.列を設ける
管理表には、No.の列を設けることをおすすめします。
Excelにはもともと行番号があるため、画面上で行を確認するだけであれば、No.列がなくても困らないかもしれません。しかし、管理表はExcelの画面上だけで使用するとは限りません。印刷して確認したり、紙の資料を使って打ち合わせをしたりすることもあります。
そのような場面で役立つのが、管理表独自のNo.列です。
No.列で全体の件数を把握する
Excelの行番号は、通常、そのままでは印刷されません。印刷時に行番号を表示する設定もありますが、意図した書式やレイアウトで表示できるとは限りません。
一方、管理表にNo.列を設けておけば、印刷した資料でも各行を識別できます。また、No.が1から順番に付いていれば、管理している情報が全部で何件あるのかも把握しやすくなります。
例えば、採用応募管理表でNo.1からNo.15まで番号が付いていれば、応募者が15人いることを直感的に把握できます。Excelの画面上だけでなく、印刷した資料でも一覧全体の規模を確認できるのが、No.列を設けるメリットです。
No.列で個々の情報を識別する
No.列は、特定の情報を指定するときにも役立ちます。
例えば、打ち合わせで採用応募管理表を確認する際、「No.15の応募者について確認したい」と伝えれば、どの応募者のことなのかを明確にできます。印刷した資料を複数人で確認する場合にも、同じ番号を使って情報を指定できるため便利です。
また、ほかのシステムなどで使用する管理番号が付いていない情報でも、管理表独自のNo.を付けておけば、個々の情報を識別できます。すでに管理番号がある場合でも、管理表内で扱いやすい番号を別途設けることには意味があります。
このように、No.列はExcelの画面上だけでなく、印刷や打ち合わせなど、さまざまな場面で管理表を使いやすくするための工夫です。
Step5:項目ごとに情報を分け、後から活用できる形にする
最後に意識したいのが、情報を項目ごとに分けて管理することです。
管理表を作る際、入力しやすさを優先して、複数の情報を1つのセルにまとめてしまうことがあります。
例えば、応募者の情報を次のように入力したとします。
応募者情報 |
|---|
山田太郎/営業職/2026年10月1日応募 |
この状態でも、人が見れば内容を理解できます。
しかし、後から「営業職に応募した人だけを抽出したい」「応募受付日が10月1日の人を確認したい」となった場合、情報がまとまっているため、そのままでは扱いにくくなります。
そこで、次のように項目を分けて管理します。
応募者名 | 応募職種 | 応募受付日 |
|---|---|---|
山田太郎 | 営業職 | 2026/10/01 |
このように分けておけば、応募職種による絞り込みや、応募受付日による並べ替えが簡単にできます。
また、日付は日付として、応募職種は応募職種として、選考結果は選考結果として、それぞれ同じ意味の値を同じ項目に記録することも重要です。
情報を適切に分けておくことで、Excelのフィルターや並べ替え、関数などを活用しやすくなります。
管理表は、作成した時点で完成ではありません。後から情報を検索したり、集計したり、業務改善に活用したりすることまで考えて設計することが大切です。
まとめ:Excelの機能を使う前に、管理表の構造を考えよう
使いやすい管理表を作るためには、Excelの機能や関数を覚える前に、表の構造を考えることが大切です。
今回紹介したポイントを振り返ってみましょう。
管理したい情報を項目に分解する
何を記録する必要があるのかを整理し、1件の情報を1行で管理する。業務の流れに沿って項目を配置する
実際の業務の順番に合わせて、左から右へ項目を並べる。時間軸を意識して管理する
業務の各段階の日付を記録し、Excelが日付として扱える形で保存する。No.列を設けて全体を把握する
一覧全体の件数を把握しやすくし、個々の情報を指定できるようにする。項目ごとに情報を分け、後から活用できる形にする
情報を適切に分けることで、検索・並べ替え・集計などに対応しやすくする。
これらは、特別な関数や高度なExcelの知識がなくても実践できることです。
しかし、最初に表の構造をきちんと考えておくかどうかで、その後の使いやすさは大きく変わります。